Bフェリーで関西へ

2009年(平成21年)の夏は、8月に続いて9月にもう一度帰省しました。

2009年(平成21年)9月12日(土)

 佐賀最終日。朝から雨が降った。午前中は、帰るための荷造りを行った。そして、午後。佐賀駅まで父親に送ってもらい、14:52発の817系鳥栖行きに乗った。既に青春18きっぷは使い果たしていたし、有効期間も過ぎていたので、帰りは新門司港から神戸行きのフェリーを利用する予定だ。なので、佐賀⇒小倉間では、JR九州の若者向け会員カード「ナイスゴーイングカード」(NGC)で乗車券と自由席特急券を購入した。

 ただ、佐賀から小倉まで全区間特急列車を使うと高くなるので、自由席特急券は博多⇒小倉間のみ買った。ちなみに、門司港・下曽根・小倉―博多間で、自由席を利用する場合の特急料金は特例で500円、同じく指定席料金は1000円となっている(25km以内の区間を除く)。他の区間であれば、自由席で920円、指定席で1420円なので、破格の安さだ。これにNGC割引が適用されるため、さらに4割引となって300円となるからお得の中のお得と言うしかない。

 鳥栖駅で、小倉行きの813系快速に乗り換えた。車内は閑散としており、1両に数人しか乗っていなかった。

 博多駅では、885系特急「ソニック37号」に乗車。こちらも空いており、好きな席に座ることができた。列車名は「ソニック」だが、車両はほぼ同型の「かもめ」用車両だった。「ソニック37号」は、16時ちょうどに雨上がりの博多駅を発車した。

 「ソニック37号」は、途中、折尾駅と黒崎駅のみに停車し、16:41に小倉駅に到着した。ここで、電車は方向転換するので、私は最後尾に回って885系の顔を1枚撮影した。

 さて、小倉駅からフェリーが出る新門司港までは、無料送迎バスを利用する予定だ。発着場である小倉駅北口には、既に大きな荷物を持った人が何人か待っていた。おそらく、フェリーに乗る乗客なのだろう。17時ちょうどに、「阪九フェリー送迎」という行き先を表示した西鉄バスがやって来た。  

 バスは、全員乗ったことを確認して小倉駅北口を発車した。途中、JR門司駅前でもお客さんを乗せた。門司駅前を出ると、バスは坂道を上り、トンネルに入った。トンネルを抜けると、前方には海が見えた。フェリー乗り場はもうすぐである。  

17:40、バスは新門司港の阪九フェリー乗り場に到着した。ここで乗船券に引き換えるわけだが、私は大学生協の旅行センターで既に予約済みだったので、すぐに発券してもらえた。大学生協で買うと、2等船室が4200円で利用できる。高速バスとほぼ同額だが、船内で大浴場やレストランを利用できることを考えると、フェリーの方がはるかに快適である。

 専用の通路を通って、船内へ。今夜の宿は、神戸行きの「つくし」。阪九フェリーの公式サイトによれば、同社最新の船だという。

 さすがに帰省シーズンからは外れていたので、2等船室は空いていた。私が入ったのはC室という部屋だったが、他にいたのは、老夫婦2人と20代くらいの男性2人。これならのびのびできそうだ(写真は、下船時に撮影したもの)。

フェリーは18時ちょうどに出港時刻となり、18:11に動き出した。そして、盗難防止のため、荷物を置いてあった毛布で隠してから展望台へ向かった。海の上を行く風がとても気持ち良かった。後ろを見れば、さっきまでいたフェリー乗り場があった。

 動き出して15分、フェリーは港内を出た。ふと、進行方向右手を見ると、このフェリーと同じ阪九フェリー所属の船が浮かんでいた。船体に書かれた名前を見ると、「ニューあかし」とあった。おそらく、大阪・泉大津行きで使われるのだろう。

 さらに進んで、西の方を振り返ると、そこには夕焼けと航跡、そして九州の山々や町灯りがあった。1週間もいなかったので、何だかもっと長くいれば良かった……とも思った。もちろん、京都でいろいろ用事があるため、長く帰省できなかったのではあるが……。次に九州へ帰るのは、12月になるだろう。その時は、帰省期間をなるべく長く取りたいものだ。

 展望台で涼んでいるうちに、夜になった。沿岸の街灯りがとても煌びやかで見とれてしまった。ただ、お腹が空いてきたので、そのまま船内のレストランに入った。約1か月前に乗った阪九フェリーの「フェリーせっつ」と同じく、自分の好きなメニューをセルフサービスで取っていくシステムだった。ただ、ご飯は、店員に頼んで器に盛ってもらった。気になるお会計は800円近くになったが、こういう時くらいはぜいたくしても良いだろう……。

 乗客が少ない上に夕食時も過ぎていたので、窓際でテレビの前という特等席を占領できた。窓の外に目をやれば、遠くを街灯りが流れて行く。もうぜいたくの極みだ。またフェリーに乗ろう。

 食事を終えて、2等の部屋に戻った。少しうとうとしていると、いつの間にか午前0時前になっていた。ふと思い立って、もう一度展望台に上った。“暗闇の中に浮かぶあの灯りはどこの街だろうか”としばらく見入った。そして、船内を少し探検した。

2009年(平成21年)9月13日(日)

   日付が変わってしばらくして就寝した。そして、目が覚めると5:15。お風呂に入っていなかったことを思い出し、着替えを持って最上階へ。その前に展望台に行った。後方を見ると、遠くに明石海峡大橋がぼんやり見えた。一方、東の方では、空がオレンジ色に変わってきていた。もうすぐ、日の出だ。

 おっと、あと1時間もすれば、神戸の港に入る。なので、急いで大浴場に行き、15分ほどで湯船から出た。さらに、レストランへ行って朝食を食べた。時間がなかったので、ご飯にみそ汁というシンプルなメニューになった。窓の外を見ると、港湾施設の姿がどんどん近付いていた。もう神戸に着いたのだった。

 部屋に帰る前に、おいしそうな焼き立てパンの販売を目撃してしまい、衝動買いしてしまった。これは2等船室でぱっと食べ、荷物をまとめた。6:30、フェリーは神戸港に到着。下船してターミナルを出ると、目の前にJR住吉駅前行きのバスが停まっていた。このバスは、六甲ライナーの六甲アイランド北口駅や阪神電鉄御影駅の付近に停まりながら朝の街を走り、6:50過ぎに終点JR住吉駅前に到着した。但し、このバスは有料で、降りる際に運賃220円を支払った(下の写真がバス)。

 住吉駅からは、321系の各駅停車松井山手行きに乗車した。このままJRで京都まで帰っても良いのだが、JRの運賃が高いので、次の摂津本山駅で下車し、近くの阪急岡本駅から阪急電車に乗る予定だ。摂津本山駅は、市街地の駅にしては珍しく、瓦屋根の残る駅舎があった。

 石畳の路地を6、7分ほど歩き、阪急神戸本線の岡本駅に到着した。この駅には、便利なことに特急が停まるようだ。待っていると、7000系特急梅田行きが入線した。

 7:50前に大阪市の十三駅に到着し、今度は京都本線の快速急行河原町行きに乗り換えた。車両は最新の9300系で、転換式クロスシートにも座ることができた。

 約40分ほどで、京都市の阪急大宮駅に着いた。ここからは、京福電車(嵐電)に乗って自宅へ。自宅に着いたのは、9時過ぎ。佐賀を出て実に16時間以上かかっていた。でも、その分、大変楽しい旅ができて良かった。

 この夏の長距離旅行は、これで最後になるが、休みはまだまだ半月以上残っている。せっかく大都市近郊区間の沿線に住んでいるので、また近郊区間一周の旅に出ようか、と思う。(おわり)

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