特急「かもめ70周年記念号」が博多⇔長崎間を往復運転!

2007年(平成19年)は、特急「かもめ」が誕生して70周年(登場当時は「鴎」)。そこで、2007年(平成19年)7月1日に、485系国鉄色編成(大分車)による特急「かもめ70周年記念号」が博多⇔長崎間を往復しました。

博多駅で発車を待つ485系特急「かもめ70周年記念号」。2007年7月1日・博多駅で撮影。

 2007年(平成19年)7月1日、博多―長崎間で485系特急「かもめ70周年記念号」が運転された。大分車の国鉄色3両編成を用い、全車指定席(定員200名)だった。また、この日限りながら、「かもめ」の国鉄時代のヘッドマークが復活し、ファンを喜ばせた。

―特急「かもめ」の歴史―

 今回は、特急「かもめ」の運転開始から70年を記念しての運転だった。「かもめ」の歴史を少し振り返っておきたい。

 特急「かもめ」は、ちょうど70年前の1937年(昭和12年)7月1日に東京―神戸間で運転開始した。当時の列車名は、漢字で「鴎」だった。この初代「かもめ(鴎)」は、6年間走った後、太平洋戦争の戦局悪化に伴って他の特急とともに廃止された。戦争が終わって8年後の1953年(昭和28年)に、「かもめ」は京都―博多間の特急として復活。以後、京都発はそのままで、九州側の終着駅が長崎・宮崎に延伸されたり、長崎・宮崎行きだったものが長崎・西鹿児島(現:鹿児島中央)行きに変更されたりした。1968年(昭和43年)10月1日に京都―長崎・佐世保間に運転区間が再度変更されたが、1975年(昭和50年)の山陽新幹線の博多開業により廃止された。しかし、翌年の“7月1日”に長崎本線・佐世保線の全線電化完了に合わせて博多―長崎・佐世保間の485系特急として復活した。以後、485系は四半世紀近く「かもめ」で運用された(後に佐世保行きは「みどり」として分離)。

 1990年(平成2年)に、いわゆる「レッドエクスプレス」が登場した。レッドエクスプレスの「かもめ」は783系とともに10年間走り続けた後、2000年(平成12年)の885系「白いかもめ」登場で玉突き的に「かもめ」の運用から撤退した。

―かもめ70周年記念号概要―

 それでも、団体臨時列車や「有田陶器市臨」などで年に何回か長崎本線・佐世保線入りしたことがあり、同線区から完全に縁が切れたわけではなかった。ところが、2007年(平成19年)の「有田陶器市臨」では、ついに485系の運用列車がなくなってしまった。大分の車両基地から回送する必要がある上に、老朽化もあったのだろう。

 そこにやって来たのが「かもめ70周年記念号」。国鉄時代に比べて両数は3両に減ったものの、国鉄色編成を用いるといった当時を極力再現することが報じられたため、大変関心の高い列車となり、記念号の指定席は発売から2日も経たずに売り切れてしまったという。

 「かもめ70周年記念号」は、博多〜長崎間を1往復した。また、指定席完売を受けて、長崎での留置時間を利用し、長崎〜諫早間でもツアー形式で「国鉄色かもめ号」が1往復運転された。なお、記念号の肥前鹿島〜諫早間及び「国鉄色かもめ号」車内では、硬券タイプの乗車記念証明書が配布された模様だ。

 

―かもめ70周年記念号の停車駅・定時発車時刻―

 「かもめ70周年記念号」の停車駅・定時発車時刻は次の通り。

<下り列車>

博多(9:40発)⇒鳥栖(10:09発)⇒佐賀(10:25発)⇒肥前山口(10:35発)⇒肥前鹿島(10:46発)⇒多良(11:15発)⇒諫早(11:58発)⇒浦上(12:14発)⇒長崎(12:17着)

<上り列車>

長崎(16:34発)⇒浦上(16:37発)⇒諫早(17:10発)⇒湯江(17:26発)⇒肥前鹿島(18:09発)⇒肥前山口(18:28発)⇒佐賀(18:39発)⇒鳥栖(19:02発)⇒博多(19:33着)

※長崎〜諫早間の「国鉄色かもめ号」は長崎12:54発諫早13:23着、諫早13:50発長崎14:14着で運転された模様。

―そのほか―

 「かもめ70周年記念号」の運転にあわせ、長崎駅の「かもめ広場」では地元物産品の販売やミニSL体験乗車、写真展などが開催された模様。

特急「かもめ70周年記念号」写真館

 私は福岡市内での用事のために「かもめ70周年記念号」には乗車できなかったが、博多駅で撮影を行ったので、その模様を報告したい。  

「かもめ」最後尾。2007年7月1日・博多駅で撮影。

485系「かもめ」と783系「みどり」(奥)。2007年7月1日・博多駅で撮影。

「かもめ」のヘッドマークが復活!大分からの回送時もこのマークが掲出されていたという。2007年7月1日・博多駅で撮影。

方向幕。背後には何やらぼんやりと文字が……。2007年7月1日・博多駅で撮影。

先頭車アップ。2007年7月1日・博多駅で撮影。

多くのファンや485系「かもめ」時代を懐かしむ人々で賑わうホームの様子。なお、列車には客室乗務員が乗務した。2007年7月1日・博多駅で撮影。

サボ受けには、新品のサボが入っていた。2007年7月1日・博多駅で撮影。

うどん屋と「かもめ」。2007年7月1日・博多駅で撮影。

フォォォンというやわらかい警笛を鳴らし、「かもめ70周年記念号」は多くの人々に見送られながら定刻に博多駅を後にした。2007年7月1日・博多駅で撮影。

―最後に―

   私は、昨年8月に宮崎⇒大分間で、この485系国鉄色の「にちりん」の乗車したことがある。乗ろうと思えば、北九州や大分まで行けば良いのだが、長崎本線は485系が24年間も活躍した馴染みのある路線。今後も機会があれば顔を出してほしいと思う。

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