「汽車ポッポ」は御殿場線を通る歌。

 童謡「汽車ポッポ」といえば、「♪汽車 汽車 ポッポ ポッポ」で始まる童謡であり、御殿場線といえば、開通当時は東海道本線として開通し、丹那トンネル開通後は御殿場線と改称した路線である。

 童謡「汽車ポッポ」は、作詞・富原薫、作曲・草川信により作られ、国全体に軍国主義が色濃くなってきた1940年(昭和15年)にレコードが発売された。当時の曲名は「兵隊さんの列車」。

 なぜ「兵隊さんの列車」なのだろうか。これは当時、富士山の麓から近い、今の御殿場近くに軍の演習場があったためという。当時、富士山の麓では、あちこちで軍の演習が行われており、多くの兵隊たちが、演習をしていたのは事実だ。(親戚宅に当時の演習場の写真が現存。)また当初の歌詞も、軍国主義を反映して兵隊たちを戦地へ送り出すようなものだった。

 終戦直後、今の紅白歌合戦にあたるNHKのおおみそかの番組「紅白音楽試合」で、この「兵隊さんの汽車」が歌われることになったが、軍国主義的な歌であるため、アメリカを中心とするGHQ(連合国総司令部)から、歌詞と曲名を変えることを要求され、今の歌詞・曲名になった。歌詞の3番には、「あかるい 希望が 待っている」と追加され、当時の敗戦色の濃い、日本社会を打開するような歌詞も追加された。

ちなみに、

 「♪今は山中 今は浜 汽車は鉄橋渡るぞと」で始まる文部科学省唱歌の童謡「汽車」の歌詞は福島県の常磐線広野駅〜久ノ浜駅あたりの風景とされている。現に「闇を通って広野原」という部分も登場する。

 童謡を元に、この歌はどこの路線かを調査するのも、また面白いと思う。

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