史上初！？トワイライトエクスプレス、長崎まで走る！

２００７年（平成１９年）１０月２７日に、豪華寝台特急として知られる「トワイライトエクスプレス」編成が、団体列車として長崎駅まで運行されました。

おっ、見慣れない列車が停まっている。２００７年１０月２７日・長崎駅で撮影。

　２００７年（平成１９年）１０月２７日（土）に、ＪＲ西日本所属の豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の２４系編成が食堂車を連結した上で長崎本線に入線、終点の長崎駅まで団体列車として運行された。ＪＲグループが発足２０年を記念して企画した「日本列島縦断　華麗なる列車の旅８日間」の一環で、旅程はトワイライトエクスプレス以外にも新幹線や他の在来線特急を利用して日本縦断をするものだった。過去に鹿児島本線や日豊本線に同編成が入線したことはあるものの、長崎本線への入線は初めてではないだろうか。この機会を逃すまいと、管理人は、この列車を“確実に”かつ“間近で”撮影するために長崎駅で上り列車の撮影を行った。その模様をレポートしたい。

―人々でごった返す長崎駅―

　この列車の長崎本線入線は、「鉄道ダイヤ情報１０月号」で報じられていたものの、私の知る限り、趣味分野以外のマスメディアによる報道は聞いていない。そのため、見学に来る人はそう多くないだろう……と高をくくっていたら、意外にも多くの鉄道ファンや家族連れがやって来ていた。この列車を走らせる企画そのものにかなり力が入れられており、長崎駅コンコースには赤絨毯を敷き、くす玉を準備した上で出発式が行われた。

―史上初か！？長崎まで走ったトワイライトエクスプレス―

　この列車は、午前中に長崎本線を下って長崎駅に到着し、一旦留置線に回送された模様だ。そのため、寝台特急「あかつき」の客車やキハ６６系と並ぶシーンが見られた。午後の上り列車は、１６：５０発だったが、列車はその４０分以上前には入線済みだった。他の列車のダイヤを考慮したものかもしれないが、乗客や見学に来た人のための撮影時間を十分に取るための配慮だったのかもしれない。なお、この１６：５０発という発車時刻は、２００５年（平成１７年）３月に廃止された寝台特急「さくら」の長崎発車時刻と同じである。

　九州内で牽引したのは、ＥＤ７６形６６号機だった。編成は電源車を入れて８両で、通常運用時に比べると減車されていたが、食堂車「ダイナープレヤデス」やサロンカーが連結され、多くのギャラリーが興味深そうに中をのぞいていた。長崎本線への食堂車の入線は、営業車としては１９９３年（平成５年）以来、約１４年ぶりのことと思われる。こうした意味合いでも、今回のトワイライトエクスプレス編成の長崎本線入線は、大きな出来事として位置づけられるだろう。

　乗務員は、九州内ではＪＲ九州の車掌、客室乗務員が数名乗務したようだ。また、食堂車のコックも時々ドアから顔を出していた。乗客には、定年退職後と思われる夫婦が目立ち、発車前のひと時を最後部付近で撮影したり、あちらこちらを見学したりして過ごしていた。

―鉄道旅行の魅力を再認識させたトワイライト編成の長崎入り―

　列車は、定刻の１６：５０に汽笛を鳴らしながら長崎駅を発車した。「ダイヤ情報」によれば、同列車の乗客は、翌朝、岡山県内で列車を降り、旅を続けた模様だ。長崎本線は、特急中心ダイヤや単線区間が多いためか、こうした団体臨時列車の入線が少なく、他社のジョイフルトレインが入ってくることも年に数えるほどしかなかった。そのような中で、普段は大阪―札幌間を結ぶ豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」が鳥栖―長崎間を走覇するという出来事は、日本全国に鉄道網が張り巡らされ、長崎と札幌がレールでつながっているという鉄道旅行の魅力を再認識させてくれるものだった。今回の企画は、ＪＲ発足２０周年というものだったが、可能であれば今後も行ってほしいと思う。新幹線で早く着くことだけが、鉄道の楽しみや良さではないのだから。　