Aトワイライトエクスプレス

2007年(平成19年)10月27日、トワイライトエクスプレスが団体列車として長崎駅まで運転されました。その撮影のために、私は長崎駅まで向かいました。

 コンコースの「日本列島縦断 華麗なる列車の旅8日間」出発式のくす玉は割られた後で、ホームには既に列車が入線していた。思ったよりも多くの人々が来ていて驚いた。帰宅途中の高校生やサラリーマンもいたが、これほどの人が、この列車の情報をどこで仕入れたのか。大いに気になるところである。

 さっそく私も群集の中に入って、列車の前から後ろから、横から、そして反対側からと撮影していった。列車に乗務するものと思われるJR九州の客室乗務員も私的に(?)記念撮影を行っていた。

 こちらは食堂車。元特急電車だったが、改造して客車に組み込んだ。そのため、断面が他の24系客車と若干違う。

 反対側のホームの先端まで来た。夕暮れ時で、機関車の陰にならない部分は鮮やかな赤が光っていた。

 駅名表示板と一緒に一枚。う〜ん、客車が暗くなったのが残念!

 発車の時間がだんだんと近づいてきた。それに伴って、人々がホーム先端に集まってきた。「まもなく、下り列車が参りまーす」と警備係の駅員さんが言うと、一斉に黄色い線の内側へ。やって来たのは、813系だった。長崎地区限定運用の813系は初めて見た。

 16:50、列車は汽笛を鳴らしながらゆっくりと動き始めた。乗客たちにとっては、札幌までの長い長い旅が始まったのである。ちなみに、この16:50発という時刻は、寝台特急「さくら」廃止時のものと同じである。この事実に気づいた人は、いったいどれくらいいるのだろうか……。「さくら」の廃止から、もうすぐ3年になる。

 それにしても、1本の列車のためにここまで人が集まるとは……。長崎から札幌までという壮大なスケールに惹かれた人も多いだろうし、滅多に来ない豪華列車を見る、また、その“事件”を目撃し、記憶するために来た人も多いだろう。今回の乗り入れは、鉄道が人を運ぶだけではないことを改めて感じさせてくれた。

 さて、用事が済んだので帰ることにするのだが、次の鳥栖方面の各駅停車は16:56発。急いで別のホームに停まっていた817系に乗り込んだ。残念ながら満席で、いつも通り運転席後ろで立つことにした。電車は定刻に長崎駅を発車した。ところが、次の浦上駅でさらに人が乗ってきた。大分地区の車両不足は有名だが、長崎地区の車両不足もひどい状況だ。単線なので、増発は難しいとしても、増結くらいはしても良いと思う。ただ、過去の経験から言えば、大半の乗客は諫早駅で降りるはずなので、いつものことだと気にしないようにした。

 案の定、諫早駅から座れた。長里駅では、数分間停車するとのことで一旦車外に出てホームの駅名表示板などを撮影した。

 ところが、行き違いの特急が遅れているとのことで、電車は長里駅を10分近く遅れて発車した。小長井―肥前大浦間では、往路と同じく乗客の数をざっと数えてみた。2両合わせて12、3人ほど。時刻は19時に近く、ラッシュからはやや外れている時間帯だが、案外乗っているものだと感じた。

 その後、だんだん眠たくなり、起きたのは肥前浜駅に着いたころだった。よく晴れていて、月が一緒に付いて来ていた。肥前竜王駅では、特急行き違いのために数分間停車すると放送された。どのくらい遅れているのか運転士さんに尋ねたところ、「ほぼ定刻ですね」。いつの間にかほぼダイヤ通りに戻っていた。肥前竜王駅で下車したことはなかったので、一旦駅舎の外に出てみたが、駅前はパトカーが止まっていたり、警察官がうろうろしていたり、と何やら嫌な雰囲気だったので、そのまま車内に戻った。一体、あれは何だったのだろう……。

 肥前竜王駅を発車した後、近くに立っていた私と同年代くらいの人がこちらをちらちら見ているのに気づいた。何だろう、と思っているうちに、肥前白石駅に到着した。すると、その人が「shindaisakuraさんですよね?」と尋ねてきた。「ええ、そうですけど……」と私が答えると、「どうも、ec813です」と名乗られた。「ec813」という名前を聞いて、私はすぐにピンと来た。当サイトの掲示板によく来られていた方である。そう言えば、前年の12月にキハ58系が長崎本線に入線したときも肥前山口駅でたまたま一緒になったことがあった。道理で、ec813様が私の顔を知っているのだと納得できた。ec813様も私と同じく、トワイライトエクスプレスの撮影に出かけていたそうで、朝の下りと肥前浜駅に停車している上りの写真を見せてくれた。

 牛津駅までの短い時間だったが、私とec813様は様々な鉄道の話題で盛り上がった。またお会いできれば、と思う。

 19:19、電車は定刻に佐賀駅に到着した。次回の旅行も、長崎方面である。本文でチラッと触れたが、長崎路面電車まつりが目的の一つである。もう一つの目的は、来春、南半分の廃線が決定している島原鉄道の全線制覇である。そして、期日は11月11日(日)。またしても「ポッ○ーの日」である。

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