B都内ぶらり旅
大崎駅で電車を降り、改札口を出た。そう言えば、2月にinfinity_fateとそのお母様と食事をしたのが大崎駅前のレストランだった。半年ぶりに大崎に降り立ったことになる。入場して湘南新宿ラインのホームへ。間もなく、E231系逗子行きが入線。10:27に発車した。 わずか3分で西大井駅に到着。記念に一旦外へ出てみた。歩く人は少なく、きれいに整備された駅前はとても静かだった。 続いて、先ほどと同じく総武快速線直通のE217系に乗って品川駅へ。同駅で、今度は山手線外回りに乗り換えた。ちょっと非効率的だけど、まぁいいや。 infinity_fateとの待ち合わせ場所は、東武東上線のときわ台駅。池袋駅で、東武東上線の各駅停車志木行きに乗り換えた。志木行きは、2005年(平成17年)登場の50000系。車内にはまだ新車の雰囲気が残っていた。 先頭車はガラ空き状態だった。後で先頭車を撮影することも考えてこの車両に乗った。電車は池袋駅を発車して10分ほどでときわ台駅に到着した。 ロータリーがある方の駅前でinfinity_fateを探したがいなかった。携帯電話で尋ねたところ、近くのファストフード店にいるからそこで待っておくようにと言われた。こういう時に携帯電話は便利である。程なく、infinity_fateがやってきた。 近くの郵便局で貯金を下ろしてから、3月の旅行で行ったラーメン屋へ。お昼時を少し過ぎていたので、テーブル席に座れた。今回も注文したのは普通のラーメン。うん、やっぱりおいしい。30分くらいいた後、店を出て駅に戻り、東上線で池袋へ。どこへ行こうか迷った結果、あの靖国神社へ行くことにした。少し前に靖国神社に行ったというクラスメートから「行く価値はある」という話を聞いていたからだ。 池袋駅から山手線と中央・総武緩行線を乗り継いで市ヶ谷駅へ。さらに徒歩で靖国神社に到着。都心にありながら、大変静かな緑地帯で、とても政争の舞台とは思えない場所だった。中は予想より広かった。資料館になっている「遊就館」の前で休憩。新聞を読んだり、くつろいだりする人もおり、神社と言うよりは都民の憩いの場という印象を受けた(下の写真右下の建物が遊就館の入り口)。 遊就館のエントランスには、蒸気機関車のC56形31号機や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が展示されていた。C56形は、戦時中にタイに送られ、戦後も同国でしばらく使われた後、日本に戻ってきたという。 遊就館の奥が本来の展示場だが、入場料が発生すること、この後も予定が詰まっていること、キリスト教プロテスタント派であるinfinity_fateにとって、神社は本来忌避されるべきところであることを考えて、そのまま帰ることにした。ここである疑問が浮かんだ。靖国神社では、戦没者を祀っている。戦没者には、一般国民のみならず、戦犯になった人、中国や朝鮮の人たちも含まれている。しかし、日本人の中でさえ信仰する宗教は様々だ。明治時代以降、信仰の自由は、それ以前に比べてかなり拡大したわけで、戦没者の中にもキリスト教信者が多くいるはずだ。 確かに、戦没者を祀ると書いた時点で神道的だし、そもそも追悼するには、何らかの宗教的様式にのっとる必要がある。日本人の大多数が精神的に受け入れている神道が、追悼の様式として最も相応しいと主張する人もいるだろう。しかし、宗派によって、神社は受け入れがたい場所であるという事実も存在する。また、中国や朝鮮の人の中には「許可もしていないのに、どうして勝手に祀られているの?」と疑問を抱いたり、祀る対象から外してほしいという意見を述べたりする人も多い。 果たして、全ての戦没者を悼む場として靖国神社は適当なのか。無宗教の追悼はあり得ないが、だからと言ってマイノリティの意見を無視し、1つの宗教に絞った追悼の場というのもおかしな話だと私は思う。 さて、これからはお台場へ向かう。まず、東京メトロ東西線と中央・総武緩行線を乗り継いで秋葉原駅に出た。ここでさらに山手線に乗り換え、新橋へ。JRの改札口を出てゆりかもめ乗り場に向かう。ゆりかもめは案外空いていて、席にも座れた。お台場に着いたのは15時前。ちょうど「お台場合衆国」がフジテレビ周辺で開かれており、大混雑していた。 お台場合衆国内は入場料がかかるので入らなかった。しかし、普段から無料で開放されているところはそのまま入れた。フジテレビ本社屋のエスカレーターで昇り、土産物コーナーへ。ぐるっと巡ってエスカレーターで下の階へ。途中にあるスタジオ見学コーナーに入った。今年3月に来た時は休館していたが、今日は開いていた。通路沿いには、フジテレビの番組が紹介されており、ちょっとした体験コーナーもあった。ところどころにのぞき窓があり、人ごみの間から見てみると、観客の足が見えた。どうやら収録中らしい。セットの状況から、おそらく「ライオンのごきげんよう」だろうか。残念ながら、小堺さんやゲストはハリボテに隠れて見えなかった。そりゃあ見えたら、見学者がキャーキャー騒いで収録どころじゃない。 外に出て、ペデストリアンデッキをレインボーブリッジ方面へ歩く。その先には展望台があるので、そこで休むことにした。レインボーブリッジは相変わらず渋滞していた。その奥には、東京タワーがすっと立っていた。時代が変わってもシンボルでいられる東京タワーは、やはり他の建物とは別格だと思う。 16時近くになったので、帰ることにした。お台場合衆国周辺はやはり大混雑だったので、それを避けてりんかい線東京テレポート駅を目指した。りんかい線に乗るのは、これから渋谷のカラオケボックスで歌いまくる予定だから。男2人は寂しいけど、歌いまくれるのは大きなメリットだ。 りんかい線と山手線を乗り継ぎ、渋谷に到着。前回渋谷に来た時は早朝で、閑散としていたが、今日は夏休みの夕方。駅もハチ公前もスクランブル交差点も大混雑していた。infinity_fateによれば、近くにシダックスがあるようなのでそこに決めた。渋谷駅前のスクランブル交差点の歩行者信号が青になった。すると、横断者が横一列に並んで一斉にこちらへ向かってくる(こちらはこちらで前進しているが)。そして、激突(?)。入り乱れて人ごみに流されて何とか対岸に到着。京都も大都市だが、繁華街にある四条河原町の交差点でさえここまで多くはない。さすがは日本の首都。 山手線に沿って代々木公園方面へ。途中で「めざまし調査隊」のスタッフがいた。うーむ、やっぱり他の街とは違う。徒歩10分ほどでシダックスに到着。予約なしだったので、部屋が空いているか微妙だったが、2時間利用で確保できた。 早速部屋に入り、カラオケ開始。私もinfinity_fateも歌は下手なので、思う存分歌った。私は持ち歌が少ないので、「崖の上のポニョ」や福山雅治などの曲を歌った。一方、infinity_fateは洋楽も好きなので、英語の歌を歌っていた。どんな意味なのかさっぱり分からなかった。 あっという間に時間が来てしまった。時刻は19時前。外はだいぶ暗くなっていた。ちょうど夕食にちょうど良い時間帯だ。私は東京22時発の寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」に乗る予定なので、時間はたっぷりある。ただ、この近辺にファミレスがあるかどうか分からなかったので、私の記憶を頼りに秋葉原のデニーズへ向かうことにした(暇つぶしの意味もあるが……)。渋谷からならば、銀座線の方が便利だ。案内表示に従って、銀座線の乗り場を目指す。この時、銀座線渋谷駅が高架になっていることを初めて知った。途中、ガラス張りの建物からスクランブル交差点が見えた。青になった瞬間、やはり人の波が押し寄せ、ぶつかった。見ているとやっぱり圧巻だ。 さて、銀座線の電車を待つ人は多かったが、列の先頭付近に並んでいたこともあって、席に座れた。客を乗せて少しすると、ドアが閉まって発車した。渋谷駅を出てしばらくは車内が混雑していたが、途中から減り始め、下車した神田駅では立っている人の方が少なかった。そう言えば、銀座線の神田―浅草間は乗車済みなので、これで銀座線の全線制覇が完了した。 神田駅から須田町方面に歩き、須田町交差点で万世橋方面に折れた。左手にある旧交通博物館の建物は、まだ残っており、秋葉原のネオンに照らされて青白く浮かび上がっていた。万世橋を渡って秋葉原エリアへ。私の記憶が正しければ、確か外堀通り沿いにあったはず。そして、案の定発見。ビルの間に挟まれて黄色い看板が光っていた。夕食時だったが、ちょうど席が空いていた。それぞれ料理と飲み物を注文し、20分くらいして出てきた。時刻は20時を回っていたが、秋葉原から東京駅まではすぐなので、ゆっくりしゃべりながら食べた。 少々長居した後、徒歩で秋葉原駅へ。そこから山手線に乗り、東京駅に到着。今朝預けた荷物をコインロッカーから出し、「銀座のいちごクッキー」を買って東海道線7・8番ホームへ。時刻は21時。あと1時間ある。東海道線も通勤路線だが、山手線や京浜東北線に比べると落ち着いていた。寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」が入線するまでは、いろいろしゃべったり、飲み物やつまみを買ったりして過ごした。 21:48、新橋方面から「サンライズ瀬戸・出雲」が入線。ドアが開くと、待っていた乗客たちが大きな荷物とともに車内へ入っていった。しかし、私を含めた一部の乗客は先頭車付近に集まり、写真撮影。先頭車を撮り終えた後も、ロゴマークや方向幕を撮影した。
発車5分前に私も中へ。初めて踏み入れるサンライズの車内。木目調の温かいインテリアが私を包む。指定は「サンライズ瀬戸」の5号車「ノビノビ座席」の上段。カーペット敷きに、「サンライズ瀬戸・出雲」のしおりや毛布が置かれていた。
発車を告げるメロディが鳴り、カコンとドアが閉まる音。1日だけだったけど、充実していた。1人ホームに残されたinfinity_fateの顔をゆっくり見る間もなく、電車はホームを離れていった。おそらく、次回infinity_fateに会うのは来年になるだろう。