×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

@真夜中の提灯行列

新生活が始まって約1カ月。ゴールデンウィークに初めて帰省しました。

 2009年(平成21年)のゴールデンウィークには、何と5連休が!年によっては、最長でも憲法記念日、みどりの日(旧国民の休日)、こどもの日の3連休しかないこともあり、それならこのチャンスを活かそうと、入学当初から帰省することに決めていた。ただ、やはり金がない……。青春18きっぷもゴールデンウィークには発売されないので、往路で高速バス、復路でJRを使うことにした。高速バスを使うのは、夜行列車のファンである私にとって断腸の思いだったが、九州方面行きの夜行列車がなくなった今、そこまでこだわる必要がなくなった。

 私の大学には、生協の旅行センターがあり、4月中旬頃、九州方面行きの高速バスの乗車票を購入した。店員の方によれば、乗車場で乗務員にこの票を見せれば良いという。値段としては7100円。やはり安い。団体旅行扱いになっているらしく、主催旅行会社は「オリオンツアー」とあった。九州方面の行き先は様々で、京阪神発福岡行き、熊本行き、鹿児島行きがあった。このうち、熊本行きは久留米に停車するようなので、この便を選んだ。ちなみに、帰りはJR利用を決めていたので、証明書発券機で学割証を取得した。高校生の頃は、事務室に申請しても発行まで2、3日かかっていたのに対し、発券機ではちょっと機械を操作しただけで出てきたので、本当に便利だった。

   学校にようやく慣れ、クラスや部活・サークルの新歓イベントが一段落した5月1日(金)の夜、私は簡単に夕食を済ませ、19:45頃に自宅を出た。

2009年(平成21年)5月1日(金)

 バスが発車するのは、京都駅八条口なので、同駅までJRで行くことにした。花園20:02発の京都行きは、113系だった。週末の夜だからなのか、意外と乗客が多かった。中には私と同じく、帰省中と思われる人も何人か見られた。京都駅に到着し、八条口へ向かう。しかし、京都駅の構内図をよく理解していなかったので、少し迷ってようやく京都駅八条口に出ることができた。八条口には、団体バスの乗り場があり、これからバスに乗るものと思われる人が集まっていた。私が乗るバスは、20:40集合、21時発車なので、中には同じバスに乗る人もいるのだろう。

   だが、20:30を過ぎてから私は焦り始めた。集合場所は確かに八条口なのだが、どうやら複数の主催会社が同じ場所で乗車の受付を行うらしい。しかも、困ったことにどこがどのバスを運行するのか分かりにくいのだ。中にはエプロンを付けて対応したところもあったが、遠くからでは分からない。せめて、それぞれの会社名が入った旗でも振ってくれれば良いのに……と思いながらも、取り敢えず列のひとつに並んだ。並んでいると、すぐ後ろから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。「まさか」と思いながら振り返ると、何と高校3年の時に同じクラスだった女子2人がいた。いろいろ話していると、1人は私と同じ大学だが別のキャンパスに所属し、もう1人は京都市内にある別の大学に通っていることが分かった。2人ともこれから帰省するらしい。ただ、乗車票を見ると会社が違うようなので、別のバスになるのだろう。並んでいる間は、お互いの近況報告をし合った。

 ようやく受付のところまで来ることができた。しかし、乗車票を見せると「これはうち(の会社)とは違いますね」と言われた。既に集合時刻を過ぎており、物凄く焦った。ひとまず、近くにいる乗務員らしき人に尋ねてみたところ、この方が、私が乗車するバスの受付係りだった。その乗務員は特に目立つような服装ではなく、“それなら、もっと分かりやすくしてくれよ……”と思った。運賃が安い分、案内係さえ準備できないのだろうか。しかし、それにしても不親切だ。腑に落ちないまま、荷物をトランクに入れてもらってバスに乗った。バスの入り口に座席表があり、カタカナで乗客の苗字が書かれていた。私の席は、バスの中央部窓側。車窓を見ながら帰れるだけでも、マシである。バス車内にトイレなどの設備はなく、どうやら途中のパーキングエリアで休憩を取りながら西へ向かうらしい。

   バスは乗客が全員乗車したことを確認し,21時過ぎに京都駅を発車した。乗務員は運転手1名,案内係1名でいずれも男性。発車してすぐ、案内係から放送があり、途中三宮で客扱いを行った後、沿線のパーキングに寄りながら九州へ向かうという。バスは夜の京都市街を南下し、京都南インターチェンジから名神高速道路に入った。隣の席には、これから福岡へ帰るという専門学校生の方が座った。聞けば、京都府の園部でレントゲン技師を目指して勉強しているのだという。他にも結構学生が多く乗っているようで、誰かが話していた内容を聞く限り、私と同じ大学の人もいるようだ。

 バスは茨木市や吹田市を通過しながら西へ走った。だが、途中で小さな渋滞に巻き込まれた。例のETC割引のせいか、と思ったが、すぐに流れ始めてほっとした。大阪府を通過して兵庫県に、そして西宮インターチェンジで阪神高速に入った。途中で一般道に下り、22:40頃神戸市役所の前に到着した。ここで三宮から乗る予定の客を20分ほど待ち、ほぼ定刻の23時過ぎに発車した。

2009年(平成21年)5月2日(土)

 バスは内陸部に入り、山陽自動車道へ。一段と交通量が多くなった。一応流れてはいるが、ずらーっとテールライトが続いていた。0:30頃、三木サービスエリアに到着し、最初の休憩が取られた。時間は約20分ほど。気分転換に少し外に出てみた。深夜なのに、駐車場はマイカーで埋め尽くされ、店のある建物にもたくさんの人がいた。

 ちなみに、バスのナンバーを確認してみると「筑豊」でバスの所属会社名は「プラス観光」とあった。ここでようやく分かった。オリオンツアーが直営で運行しているのではなく、バス会社に運行を委託しているのだ、と。でも、やはり委託したからにはさっきの京都駅でオリオンツアーの旗を振って欲しかったところである。

 0:30過ぎにバスはサービスエリアを出発した。しかし、前方は本線に戻ろうとするマイカーやバスが長い列を作り、全然動けなかった。こんな深夜になぜ?と思ったが、やはり思い当たるのはETC割引しかない。その後もバスは進んだり止まったりを繰り返し、本線に戻れたのは40分以上後になってからだった。合流地点では事故が起こって処理中だった。さらに先の方でも事故が発生しているらしく、路側帯をパトカーが通過して行った。それを見たからなのか、一部の車が路側帯を走行してごぼう抜き、悪く言えば順番を守らずに先の方へ行ってしまった。見ていて本当に浅ましかった。あたりはクラクションが鳴り響き、ざわついていた。

 バスから前方を見ると、遠くまでずーっと赤いテールライトが動くことなく続き、上り側もヘッドライトがこちらへ向かってゆっくりと動いていた。高速道路が蛇行しているので、まさに川、いや“真夜中の提灯行列”と言う方が相応しいだろう。だが、これも莫大なエネルギーの無駄遣い。進んだり止まったりという運転は、燃費を悪くする。

 ETC割引制度を作った政府与党は、景気テコ入れ策として「国民よ、旅せよ。消費せよ」というつもりなのだろうが、「チームマイナス6%」のスローガンが泣いている。従来のゴールデンウィークに比べると、はるかに二酸化炭素排出量が増えたはずだ。もしかすると、ETCの機械を作っているメーカーのためにこの制度を始めたのか。あるいは自動車の使い勝手を良くする(この場合は逆に悪化しているが)ことで、自動車販売台数を増やそうとしたのか。いろいろ勘繰りたくなる政策である。

 そもそも、割引で収入が減った分は莫大な税金で穴埋めされると思われるが、私のような学生には車を持たない人も多い。低所得で車が買えない人、車を使わない人、免許を持たない高齢者はどうなるのか。ちょっと税金に見合うサービス配分が間違ってはいないか。同じことは民主党にも言えるが、現実は車を保有する世帯が多いので、これは間違いなく衆議院議員選挙に向けたパフォーマンスであろう。逆に、車を持たない世帯やETC割引の影響をまともに受けたフェリー業界、トラック業界は、社会の中ではマイノリティである。この政策は、少数派いじめとも言えるだろう。

 さて、バスはノロノロと西へ西へ。2:30、うとうとしていたら、バスは2回目の休憩を取るために龍野西サービスエリアに入った。三木サービスエリアからわずか40kmほどしか走っていなかった。ここでも20分ほど止まって、再び本線に戻った。

   ここから先は順調に流れ始め、ようやく「高速バス」らしくなった。ここから先は寝てしまい、起きたらちょうどサービスエリアの駐車場にバスが入っていくところだった。表示を見れば、広島県の宮島サービスエリアだった。空が段々明るくなり、鳥の鳴き声が聞こえていた。時刻は5:30。だが、定刻であればあと30分後に小倉駅前に到着していなければならない。少なくとも2時間は遅れている。ここで飲み物を買った。本当は自宅からお茶やジュースを持ってきていたが、結構喉が渇いて飲み干してしまった。

   バスは、早朝の山陽自動車道をさらに下る。ただ、それでも交通量は多かった。途中、バスと並走していた車のドライバーが何と携帯電話でメールを打っていたが、危険極まりない運転である。一歩間違えば、中央分離帯や他の車にぶつかって大惨事になりかねない。

 バスは、山口県をどんどん下っていく。しかし、どこかで事故があったのか、再び渋滞に巻き込まれた。案内係が、本部に問い合わせて状況を確認していた。聞こえてきた話によれば、同じように九州方面へ向かっていたバスの一部は、途中で一般道に下りたという。実際には自然渋滞だったが、他にも中国自動車道との合流地点や小月インターチェンジ付近で渋滞が発生していた。

 バスは関門海峡を渡る前に壇ノ浦パーキングエリアに入った。ここでも同じように休憩。時刻は8時前。定刻なら、私の下車地である久留米市に着いておかねばならない。バスを一旦降り、少し歩いてみた。ちょうど関門海峡大橋が目の前にどーんと構え、朝日がとてもまぶしかった。ついでにバスの写真も撮った。ここはあまり停車時間が長くなく、10分少々で発車した。

 

   バスは本線に戻って関門海峡大橋を渡った。九州に入るのは、3月27日に佐賀を離れて以来、約1カ月ぶりである。遠くに下関や小倉の街並みが見えた。

 バスは九州に入ると一旦一般道に下り、バスは定刻より2時間半遅れた8:30に小倉駅北口に到着した。うーむ……ということは、久留米に着くのは11時くらいか。乗客が降りると、バスはすぐに発車した。

 高速道路に戻ってしばらくは順調に走ったが、途中から詰まり始めたので、一般道へ。そして、福岡市街に入り、2番目の降車地・博多駅筑紫口に到着した。時刻は9:45。遅れの幅はさらに開いて2時間45分の遅延である。ここでは多くの乗客が降り、通路側に座っていた専門学校生も路上駐車のタクシーの間に消えて行った。ここまで遅れているので、ここで降りようか、とも思ったが、久留米まで買ったのがもったいないような気がしてそのまま残った。もはやここまで遅れたのなら、“今日中に着くことができれば良い”とも思った。

 車内が静かになったところで、バスは発車。一旦都市高速に入ったものの、太宰府インターチェンジで一般道に下りて国道3号線を南下。途中で鹿児島本線を走る811系と並走した。そのまま佐賀県に入り、途中で右折して弥生が丘駅の直下を通過。県道17号をさらに南下しながら鳥栖市内を走った。ただ、せっかく鳥栖を通るのであれば、鳥栖駅あたりで降ろして欲しかった。最初から停車地に含まれていなかったので無理なんだけど……。

 筑後川の支流を渡って再び福岡県へ。程なくして西鉄久留米駅に近い松竹会館前に到着した。時刻にして11:05。定刻より3時間5分遅れた。久留米で下車する乗客はここで解散となり、さらに熊本方面へ向かう乗客は別のバスに乗り換えとなった。ただ、熊本方面へ向かう乗客には乗り換えがある、という案内は、旅行案内のチラシに書かれていなかったし、車内放送でもここに来て初めて告知された。やはり不親切だな、という印象を受けたのは事実である。

 私は、トランクに預けていた荷物を受け取り次第、急いで西鉄久留米駅に向かった。あと2分で佐賀駅バスセンター行きの路線バスが発車してしまうからだ。明治通りを急いだが、重い荷物を持っているためになかなか速く走れなかった。結局路線バスに乗り遅れてしまい、やむを得ずJRで佐賀まで帰ることになった。だが、ここからJR久留米駅までは距離があるので、JR久留米駅方面行きのバスに乗った。そして、10分ほどの乗車でJR久留米駅に到着した。  

 佐賀駅までの乗車券(630円)を購入してホームへ。間もなく、鳥栖行きの817系電車(久留米11:30発)が入線した。筑後川を渡ると佐賀県。久々に田んぼの広がるきれいな風景を見た。京都市は都会である上に田んぼがあまりないので、このような田園風景を見ると、地元に帰って来たと実感する。

 鳥栖駅でさらに12:01発の佐賀行きに乗り換えた。こちらも817系だった。佐賀駅には12:25に到着し、市営バスに乗り換えて自宅に着いたのは13時過ぎ。昨晩京都市の自宅を出てから実に17時間以上かかって自宅に辿りつけたことになる。うーむ、やはり帰省で何かない限りは鉄道かフェリーを今度から使おう。この日の昼間は、寝不足のため、しばらく昼寝した。夜に焼肉を食べたことで、疲れは大分取れたけど。

Aあっという間に始まって、あっという間に終わります

旅行記&特集へ

トップへ