B並ぶ時間>滞在時間

わけあって、私は2007年(平成19年)10月13日・14日に東京方面に用事があり、開館初日の鉄道博物館に行ってきました。

 翌朝は6:30くらいに目が覚めた。隣のビルとの隙間からは、光が漏れていた。もう既に明るくなっていた(当然だが)。朝食は、地下1階のレストランで、バイキング方式だった。昨晩食べ過ぎたらしく、思うように腹に入らなかった。9時前にホテルを出た。私は、この日開館する鉄道博物館へ、父は上野近辺の博物館巡りをするという。新宿から大宮に出るには、湘南新宿ラインか埼京線であるが、埼京線の電車が走る赤羽―大宮間の東北本線は未制覇だったので、埼京線の快速・川越行きで向かうことにした。

 入ってきたのは、205系ではなく、相互直通を行う東京臨海高速鉄道りんかい線の70−000系だった。車内は最初満席だったが、池袋のあたりで座れた。快速は、途中、東武線や東北新幹線と併走した。

   電車は地下に入り、9:30ごろ、大宮駅に到着した。

 反対側のホームには、埼京線の205系が停まっていた。

 さて、本当はこのまま鉄道博物館に向かっても良いのだが、「鉄道ダイヤ情報」によると、9:40ころにジョイフルトレインの485系「やまなみ」が大宮駅に停車すると書いてあったので、それを撮影してから行くことにしている。一旦、コインロッカーに行って荷物を預け、再びホームに戻ると、既に「やまなみ」は入線していた。撮影者は意外と少なく、10人ほどだった。

 「やまなみ」が発車した後は、211系などの停車列車や構内で休む電車を撮影した。

 JRの改札口を一旦出て、埼玉新都市交通(ニューシャトル)の大宮駅に向かう。ニューシャトルは、普通の鉄道とは異なり、ゴムタイヤタイプの車両が専用の軌道上を走るというものである。コンコースは、鉄道博物館関連の横断幕や幟が掲げられていて、鉄道博物館の存在がいかに大きなものかを感じさせられた。

 券売機で鉄道博物館駅までのきっぷとニューシャトルの硬券記念乗車券(定規付き・1900円)を買い、ホームに入場した。ホームは、鉄道博物館に向かうものと思われる人々で混雑していた。内宿行きの電車はすぐにやって来た。

 車内はすぐにぎゅうぎゅう詰めの満員となった。電車は、間もなく発車し、半周した後、新幹線高架橋のすぐ脇に寄り添い、そして併走するようになった。

 鉄道博物館駅は次の駅で、わずか数分で到着した。徒歩だと、約20分であるそうだ。やはり、鉄道博物館で大半の人が下車した。

 駅からは、人の波が続いていた……。これは、並ぶのに時間がかかりそう……。

 本来は、鉄道博物館駅からそのまま博物館へ入場できる通路があるのだが、今回は初日とあって、高架橋下の駐車場に人を並ばせるようになっているらしい。既に何百人もの人々が開館を待っていたが、中には「早く開けんか、バカヤロー!」「いい加減にしなさいよ!こっちはもう何時間も待っているのよ!」と警備員に詰め寄る人もいた。こういう人たちには困ったものである。おそらく、この人たちは、鉄道よりも開館如何にこだわっている発言から察するに、「初日に行く」ということに価値を置いているはずだ。鉄道の面白みなんて分かるはずもないだろう。そういう人たちは、鉄道博物館に来る資格はない。

 さて、最後尾に並ぶため、人の波に乗って行くのだが、どこまで歩いても先が見えない。ようやく最後尾に着いたが、玄関までは程遠いものだった。時刻は、ちょうど開館時刻の10時くらいだった。この分だと、長くかかりそうだ。予定では、羽田空港に行く前に都電や京成電鉄にも乗ろうかと思っていたが、これでは無理かもしれない。

 10時を過ぎてしばらくすると、「てっぱ倶楽部」という鉄道博物館の会員のようなもの(?)に登録していた人から開館が始まり、間もなく建物屋上の展望デッキに人影が現れた。

 ただ、このような大混雑している時に優先順位をつけるのは、混乱と待つ人のイライラを増幅させるだけのように思われる。誰だって早く入りたい。私のように、鉄道博物館に来て初めてそのような団体の存在を知った人もいるはずだ。また、そうした団体に入ると何かしら面倒なので、入りたくないという人もいるだろう。鉄道博物館のこの対応には、疑問が残るものだった。

 列はなかなか進まない。途中、並ぶスペースを増やしたため、少し進んで玄関との直線距離は短くなったが、並んでいる人数は変わらなかった。その後、1時間くらいしてから一般客の入場が始まったらしく、列が進み始めた。並ぶこと1時間40分。時刻にして11:40。ようやく建物本体のそばまで来た。実は、鉄道博物館を出発する時刻が12時くらいだったので、この時点で都電と京成電鉄の乗車は諦めることにした。

 臨時窓口で入場料を払い、入館用のカードを受け取った。前方に自動改札機が並んでいて、入館客はカードをかざして入っていた。どうやら、SuicaなどのIC乗車券と同じ「タッチ&ゴー」方式らしい。私も真似してタッチ&ゴー。バタンと改札機のドアが開いた。初めての者にとっては、感動の一瞬である。11:55、約2時間並んでついに入館できた。

 館内は、当然ながら大混雑で、人気のあるコーナーは長〜い列ができていた。まず2階に行くことにした。2階からエントランスホールを見ると、その混雑ぶりがよりよく分かった。

 最初に入ったのは、ヘッドマークや新幹線の設計模型などが並んだ部屋だった。私の大好きな「さくら」もあり、嬉しかった。

 続いて、屋上のパノラマデッキへ。ここは、新幹線や在来線、ニューシャトルを見下ろす角度で撮影できるため、多くのカメラマンがカメラを構えていた。よく見るとガラス張りで、光の反射に配慮しながら、私もE4系を早速1枚。

 続いて在来線も。ちょうど埼京線の205系と湘南新宿ラインのE231系が併走するのを撮影できた。上から見下ろすと、在来線はまるで模型のようである。

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