BKBCにアタックチャンス!
地下鉄博多駅で天神までのきっぷ(200円)を買い、ホームへ。間もなく、筑前深江行きの1000系電車が入線した。 約6分の乗車で天神駅に到着した。なぜ私が天神に来たのか。実は、朝日放送の番組「アタック25」の予選が北天神にあるKBC(九州朝日放送)で12時から行われるのだ。 5月のある日、私は「アタック25」を見ていた。この番組は、かれこれ10年前から見ている。番組自体は32年の歴史を誇る長寿番組だ。その日の中で「高校生・熟年の出場者を募集しております」と司会の児玉清さんが宣伝していたので、いつか出たかったし、まぁどうなるか分からないけど……という気持ちでネットで応募した。すると、6月に入ってから私に1枚のはがきが。大阪の朝日放送からで、「アタック25」の第一次選抜(朝日放送側が抽選)を通過したので、7月1日の12時から九州朝日放送で地区予選があるので来て欲しいとのことだった。冒頭で書いた「まさか」の出来事とは、このことである。それから、むさぼる様に「アタック25」の予選について調べてみた。意外にヒットするもので、経験者のサイトを隅々まで読んだ。予選に出されたという問題文も解いてみたが、これが分からん……。でも、私が受けるのは高校生部門だし……と思って、あまり参考にしないことにした。 そして当日。九州朝日放送には行ったことがなかったので、放送局とは別の方角に進んでしまった。少し行くと、左手に博多港の港湾施設が見えたので、こっちだと思い、左折。さらに左折して、さっきとは逆向きに進んだ。 道路を片側3車線の道路を渡り、さらに北へ。すると、ビルの向こうに電波塔が。間違いない、と思い、電波塔の方向に急いだ。時刻は11:35を回っていた。歩道橋を渡ってようやく九州朝日放送を確認した。やはりでかい。佐賀にあるNHKもサガテレビも比べ物にならない規模だ。さすが福岡である。 円筒形の出入り口が見えたので、そこから入った。すると、エントランスホールには明らかに同じ目的を持った人たちが待っていた。何で入らないのだろう、と思って奥に進もうとすると、警備員さんに「アタック25の予選の方ですか?」と呼び止められ、その旨を伝えると、「11:45に案内致しますので、それまでお待ちください」と言われた。それなら、そう急ぐ必要もなかったか。 ところで、高校生は何人くらいいるのか……と見回してみたが、私のほかに2人しかいなかった。11:45、警備員さんとスタッフと思われるひげの男性が現れ、「それでは今からご案内します」とエレベータホールに案内された。私は第一陣でエレベータに乗った。エレベータ内でひげのスタッフが「予選通知のはがきをご用意下さい」と案内した。これがないと、予選会場に入れないのだ。予選参加者は7階で降りた。そこから予選会場まではご丁寧に張り紙があり、迷うことなく行けた。入り口ではがきが回収された。あ、はがきを記念撮影しておけば……と思ったが、時既に遅し。小太りの男性が「前からつめてお座りください」と案内したので、私は前列の「4番」の札が貼られた席に座った。私の隣には、高校生らしい人が座った。今日のライバルである。もっとも、私がこの人のライバルに値するほどの実力を持っているのかには大きな疑問が残ったが。どの席にも「朝日放送 アタック25」と書かれたボールペンと裏返しにされたアンケート用紙が置いてあった。このボールペンは、参加者にプレゼントされた。また、アンケート用紙には、履歴を書くらしい。 12時が近づくにつれて人が増えて行き、最終的には総勢50人ほど集まった。だが、やはり高校生の数は少なかった。 小太りの男性が、「それでは始めましょうか」と言って、予選会が始まった。予め断っておくが、この予選会がテレビ放映されたり、児玉さんが来る……なんてことはない。「皆さん、こんにちは。私はディレクターの○○です。今日はお忙しい中、パネルクイズ『アタック25』の予選会に参加いただきありがとうございました」と小太りの男性が言った。どうやらディレクターさんだったらしい。 アンケート用紙の書き方についてディレクターさんから説明を受けながら、自分で用意したボールペンで書き込んだ。「アタック25」の特製ボールペンは、あえて使わなかった。今日は高校生大会、一般大会、熟年大会の予選が同時に行われること、アタック25の歴史、児玉さん秘話、アタック25は5年以内に本選出場した方は今日予選に受かってもできません、これから行われる筆記試験に合格されますと、そのまま面接に進みます……などという説明も行われた。 児玉さん秘話では、関西弁を交えて児玉さんの意外な生活が明らかになった。このディレクターさんは、児玉さんと付き合いがあるらしい。もちろん、悪いことではないのだが。また、「まさかとは思いますが、アタック25に5年以内に出場した方はいませんよね?」と尋ねると、何と一人いたのだ。当然、会場中からは苦笑が漏れた。ディレクターさんも困惑した様子で、「じゃあ今日は腕試し程度で」と言うと、「分かっています」と答えていた。しかしながら、今回の予選会は第一次予選(抽選)を通過した人しか来れないのだから、最初から出られないと分かってはがきを出すのはどうかと思う。 その後、ディレクターさんが「ちょっと尋ねてみるんですけど」と言って、「この中で、アタック25に出場したことがある人!」と挙手を求めると、5、6人ほどの手が挙がった。中には、1982年(昭和57年)に出場した男性もおり、「昔の予選は読み上げだったんですけどね」と語っていた。他のクイズ番組に出場した人もいた。 さらに、ディレクターさんが「今日、高校生で参加されている方はどれくらいですか?」と同じように挙手を求めると、私を入れて5人ほど(男子4人、女子1人)の手が挙がった。案外、少なかった。