@手始めは「かもめ70周年記念号」
2007年(平成19年)7月1日。その日は鉄道の話題が溢れていた。特に、九州北部に住む者にとっては、485系「かもめ」の復活に加え、「N700系」が定期列車として初めて九州に上陸するのだ。しかも、博多駅で485系「かもめ」の撮影を行えば、約1時間後にN700系の一番列車が到着するというかなり効率的な計画の組めるスケジュールだった。 当然、私も行くことにし、1ヶ月以上前から計画を練っていた。その途中、まさかとは思っていたが、ある重大な“イベント”がこの旅に意味づけされることになった。 当日。私はいつものように自転車で佐賀駅に向かい、「みどりの窓口」で「佐賀⇒天拝山」、「天拝山⇒(折尾、桂川、筑前山家経由)⇒佐賀」のきっぷを買った。こうすれば、「天拝山⇒佐賀」の乗車券には「ナイスゴーイングカード」が適用され、4割引される。合計で2360円。「博多⇔佐賀」の「2枚きっぷ」が2000円であることを考えると、大変お買い得である。 ホームに行き、佐賀8:29発の813系各駅停車に乗った。何と、今春登場した1100番台よりも乗れる確率の低い1000番台だった。車内は空いていた。鳥栖駅で813系快速に乗り換えた。 博多駅に着くと、既に485系「かもめ70周年記念号」は入線していた。 「かもめ」の停まっている一つ博多口寄りのホームで撮影することにした。そこには、管理人と同じクラスで同じ写真部に所属しているCommuterTrain817様がいた(当然ながら、学校では様づけなどしていないが)。早速撮影を開始した。しかし、どこも人でいっぱい。鉄道ファンだけでなく、明らかにそうでない人も撮影していた。 その後、「かもめ」の停まっている5番乗り場に移動した。 気になったのは、方向幕。「かもめ 長崎」幕の裏には、ぼんやりと「試運転」の文字が。後で知り合いの車掌さんにメールで質問したところ、「試運転」幕の上に「かもめ 長崎」幕を貼ったらしい。485系だったら、かつて走っていた「かもめ」幕が入っていても良さそうだが、なぜなかったのか分からない。 号車表示や指定席表示のサボは新品らしかったが、「2号車」の方はサイズが合っていない。走行中に落ちそうだ。 列車に乗り込む人は、鉄道ファンだけでなく、明らかに鉄道ファンでない女性客も多かった。9:40、「かもめ70周年記念号」はやわらなか警笛を鳴らしながら、ゆっくりと博多駅を離れていった。私も乗りたかったが、JR九州のサイト上ではわずか2日で売り切れたらしく、その上、ちょうど7月1日に福岡市内での“ある重大なイベント”が入ったため、乗れなかった、いや敢えてキャンセル待ちをしなかったのだ。 その後、私は「はやぶさ」の撮影に、CommuterTrain817様はN700系の撮影に行った。もちろん、私もその後でN700系の撮影に行く予定だった。ところが、「本日、寝台特急『はやぶさ号』は、岡山駅工事の影響で57分ほど遅れて運転しております」と放送された。57分遅れということは、博多11:10頃着ということか。N700系の博多到着は10:45と10:50だから、間に合う。ということで、私は新幹線ホームに向かった。