Iシティレール乗車記

管理人にとって初めての海外。行き先は、南半球のオーストラリア。

 ハイドパークで一休みすることになった。都心部なのにとても静かで、中には芝生の上で大の字になって寝ている人もいた。静かで治安が良いからこそ、できることなのだと思う。人口400万人を抱える大都市なのに、パトカーもあまり見かけなかった。木々の間からは、シドニータワーが見えた。また、夏の公園には、赤や黄色の鮮やかな花が咲き誇り、互いの美しさを競い合っていた。

 公園内には2000年に行われたシドニーオリンピックのモニュメントや、どっしりした建物があった。

 木陰は涼しく、Y君たちは「5分間だけ寝る」と言って、芝生の上にごろんと横になった。班別研修は、サーキュラーキーに戻るのみになった。研修と言えば、何か勉強をしなければいけないかのようなイメージだったが、街を歩くだけで十分研修になったと思う。

 ベンチに座って涼んでいると、突然「パーーーーーーーーーン!!」という破裂音が響いた。寝ていた人も、むっくり起き上がり、「何だ?」という顔をしてきょろきょろしていた。車のタイヤの破裂にしては大きな音だったが、結局何の音だったのか分からなかった。

 寝ている2人を起こして、すぐ近くにある、シティレールのミュージアム駅(Museum sta.)へ。シティレールは、市中心部では地下を走っているので、階段を下りた先に自動券売機や改札口がある。ところが、券売機には“TVM NOT ACCEPTING NOTES”(紙幣使用不可)とあった。なお、TVMは、“This Vending Machine”(この自動券売機)を意味するものと思われる。私は、Y君とT君のきっぷ代を払わねばならないが、その分だけの小銭がなかった。なので、すぐ近くのセブンイレブンで50¢の「チュッパチャップス」を買って、5$紙幣を出して崩した。もう1本買いなおして、また5$紙幣を出し、さらに崩した。2回目には、店員が“One more?”(もう1本?)と不思議がっていたが、何と答えれば良いのか分からなかったので、適当に“Yes,Yes.”(はい、はい)と言ってごまかした。

 9$分の小銭をつくったところで、駅へ。その前に、駅の入り口を1枚。レンガ風の駅舎だった。

 早速自動券売機できっぷを買うことにした。どっしりした券売機には、アルファベット順に全ての駅名が並び、その隣に大人・学生・子供・高齢者、片道・往復・1日乗車券などの種別のボタンがあった。上のほうにはモニターがあって、駅名を選んで各種別のボタンを押すと、料金が表示される仕組みになっていた。手順に従って、“Circular Quay”と書かれたボタンを押し、“Student(学生)”“single(片道)”を選んだ。すると、1.3$という運賃が表示された。確か、事前の調べでは、ミュージアム駅からサーキュラーキー駅(Circular Quay Sta.)までの運賃は、2.6$だったはずだが……。シティレールでは、学生も大人の半額になるようだ。私は、自分用、Y君用、T君用、そして自分や友人へのお土産としてさらに4枚購入した。

 時刻表示のモニターで乗り場を確認する。親切にも、停車する駅まで一つ一つ表示していた。サーキュラーキー方面に行く次の電車は、16:13発のブラックタウン(Blacktown)行き。“Due Out 13mins”と、発車までの残り時間も示していた。

 自動改札機が設置されていた。利用方法は日本と同じで、きっぷを機械に投入すると、その先に出てくる仕組みになっていた。

 ホームに降りると、ちょうど反対側のホームにD1049と書かれた2階建ての電車が停まっていた。見た感じでは、最新型のようだ。

 間もなくドアが閉まり、電車は独特の音を響かせながら発車していった。後で調べてみると、この電車はM編成と呼ばれているようだ。  ホームにもモニターがあって、停車駅や発車時刻を表示していた。

 地下駅だが、駅構内は天井などが白く塗られているため、結構明るかった。壁の色で明るく見せるのは、省エネにもなっていると思う。これを見ると、日本の地下鉄は、なぜ天井を真っ黒にしているのか不思議だ。

 発車時間が近づくにつれて、ホームで待つ人の数が増えてきた。中には、自転車に乗りながら待っている人もいた。自転車の車内持ち込みが可能なのだろう。16:15、2分ほど遅れてブラックタウン行きの電車が入ってきた。こちらも2階建てである。  車内は空いていて、私たちは2階のボックスに座った。だが、座席は固定されていて、転換できないようだ。クッションも、日本のものに比べると固く、座り心地はいまひとつだった。窓への落書きも目立った(写真は1階席)。

 途中1駅だけに停まり、地上に出るとすぐにサーキュラーキー駅に到着した。乗車時間は、わずか5、6分だった。

 電車は2編成連結の8両で運行していて、降りたドアのすぐ隣に連結部分があった。ホームでは大勢の人が電車を待っていた。おそらく、班別研修の解散前にガイドさんが言っていた二大豪華客船の祭典を見に行った人たちだろう。実際に二大豪華客船が対面するのは、今日の夕方。私たちがレストランで夕食をとっている頃だろう。高架にあるホームからは、「クィーン・ビクトリア号」をちょうど正面から見ることができ、市民が写真を撮っていた。

 次の電車は、4分後に来た。古い型の車両で、あちこちを落書きされていた。シティレールの車両管理は一体どんな風になっているのだろうか。この点では、日本の鉄道の方がよく管理できていると思う。

 一方で、ホーム中央では駅員さんがきちんと安全確認を行っていた。日本では、ビデオカメラでホームを一括で監視する駅が増えてきているが、安全性の低下を指摘する声があがっている。鉄道会社にとっては非効率的かもしれないが、ここはシティレールの駅員さんを見習うのが良いと思う。

 反対側のホームには、D6202と書かれた電車が到着した。そして、わずかの停車で発車し、トンネルの中へ吸い込まれていった。

 ちなみに、こちらが駅名表示板。乗り換え案内はあるが、日本のように次の駅までは表記されていなかった。 

 また古い電車が入ってきた。こちらは、行き先表示板に落書きされていた。電車であろうと、建物の壁であろうと、勝手に落書きをするのは許されない行為だ。

 以上で撮影を終了し、改札口へ。自動改札口にきっぷを投入し、出ようとすると、何ときっぷが出てくるではないか。これなら1枚余分に買う必要はなかった……。

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