B元気だねぇ……
長い長いエスカレーターを上がると、番組のセットなどが展示されているというコーナーの入り口に行きついた。だが、運悪く月曜日が休館日で、やむを得ず再びエスカレーターに乗り、フジテレビ関連のグッズを扱う店の前に出た。店の前には、「めざましテレビ」の1コーナーである「きょうのわんこ」の像があった。 私は以前ここに来たことがあるが、数年も前なので、売られている商品も大幅に変わっているだろう。メンバー全員で早速中に入った。やはり売られている商品は変わっていて、お笑い芸人関連のグッズが増えていた。私は家族向けに「はんにゃ」のクリアファイルを買った。いろいろ周っていると、さっき乗った「りんかい線」とフジテレビのラフ君がコラボレーションした携帯ストラップやキーホルダーを発見した。それぞれ絵柄にりんかい線の電車が入ったタイプと「東京テレポート駅」の駅名表示板が入ったタイプがあった。携帯電話に何か付けたいと思っていたので、「りんかい線」の電車タイプの携帯ストラップを買った。携帯ストラップにしては結構高かったが。 買い物を終え、1階へ。ここにもグッズを売る店やコンビニがあった。ガチャピンの着ぐるみも売られていたが、メンバーたちは触るだけで買うことはなかった。続いてコンビニへ。ここで飲み物を調達した。1階のコンコースには、小さなゲームセンター(?)もあったが、お金がもったいなかったのでしなかった。これでフジテレビの観光は取り敢えず終了。昼食を食べようと、ゆりかもめを挟んだ向かい側の建物に入った。複合商業施設で、中には飲食からファッション、ディズニーグッズなど、様々な店があった。メンバーの中に、まず服を見たいと言う人がいたので、まずファッションの店へ。私を含め、別に服なんかどうでも良い、という人は、その近くにあったディズニーグッズの店に入った。実は、この次の日は、もともと千葉県浦安市の東京ディズニーランドに行く予定だったが、入園料があまりにも高かったため、浅草や上野めぐりに変更となった。しかし、私にとってディズニーはどうでも良かったので、正直、暇で暇で仕方がなかった。 11:20頃になったので、飲食店街へ移動した。ラーメンやパスタの店など、いろいろあったが、やはり高い!これはちょっと……ということになり、お台場での食事を諦めた。あと1時間ちょっとで、ホテルにチェックインもできるので、ここはひとまずホテルへ向かうことにした。ホテルは、南千住になるので、移動したらちょうど良い時間帯に到着できるはずだ。 お台場海浜公園駅から「ゆりかもめ」に乗車。平日の昼間であるためか、幸い座席に座れた。新橋行きのゆりかもめは、発車して少し行くと、レインボーブリッジに入り、海を渡り、ぐるぐると一周しながら坂を下った。海の向こうには、さっきまでいたフジテレビの建物が太陽に照らされてきらきら輝いていた。 終点の新橋駅で、JR山手線に乗り換え。ここからは、「青春18きっぷ」のお世話になった。東京駅で一旦電車を降り、ロッカーに預けておいた大きな荷物を各々取って、再びJR山手線に乗車した。上野駅で今度は常磐快速線のE231系に乗り換えた。混んでいると言えるほどではなかったが、立つことになった。そして、数分の乗車で南千住駅に到着した。ホテルはここから徒歩7分ということだが、念のため駅の地図で確認した。「←格安ホテルの多い地域」と丁寧に(?)書いてくれたおかげで、すぐに見つけられた。町並みは典型的な“東京の下町”で、高齢者の方がかなり多かった。だが、中にはホームレスと思しき方もうろうろしていた。東京メトロ日比谷線のガードをくぐり、歩道橋でJR常磐線を越え、幹線道路を浅草方面に歩いた。そして、数分歩くと、今日から2泊する「ホテル アクセラ」の建物が見えた。このホテルは、シングル1泊3350円という格安価格で泊まれる。ツインであれば、1泊4800円(つまり、1人2400円)。その代わり、部屋は3〜4畳、もちろんトイレ、風呂は共同、アメニティグッズはなし……と、サービスをとことん省いている。しかし、電子レンジやテレビなどは、無料で使用できるようだ。 今回参加したメンバーは計8人なので、ツイン2部屋、シングル4部屋を予約していた。さっそくチェックインし、ホテルの方から利用に関する説明を受けた。館内は比較的新しく、とても清潔な印象だった。2泊×8人分の宿泊料を払い、それぞれカギを受け取り、靴を靴箱に入れてエレベーターに乗った。人数が多いので、部屋は5階と6階に分かれ、私は6階の部屋になった(写真は、チェックアウト直前に撮影した部屋の様子)。 荷物を置いてゆっくりしていると、メンバーの1人からメールが来て、昼食を食べに行くことになった。時刻は14時になっており、全員腹が減っていたので、取り敢えず飲食店が多そうな南千住駅周辺へ向かった。 駅前には、マクドナルドがあったが、昨日食べたばかりなので断念。少し路地に入ったところに食堂があり、そこに入った。店内には大きな水槽があり、鯵が何匹か泳いでいた。カウンター席に座り、それぞれ食べたい物を注文。私はネギトロ丼にした。一気に8人も注文したため、全員に料理が運ばれてくるのは時間がかかった。その間、私や隣にいたR君は、水槽の鯵を見ながらいろいろおしゃべりした。すると、近くにいたお客さんが、「すいませーん!鯵の刺身をお願いします」と注文していた。目の前の鯵が調理されるのか?と思って、水槽に注目していたが、中の鯵が減ることはなかった(もしかすると、お客さんに見えないところで捕まえたのかも……)。 全員満腹になったところで、ホテルに戻った。私は疲れが溜まっていたので、布団を敷いてごろごろしているうちに寝てしまった。ふと目が覚めると、部屋の中は真っ暗だ。腕時計で時間を確認すると、何と21:40を過ぎているではないか!少なく見積もっても、6時間は寝ていたことになる。電気を点けて、ぼーっとしていると、誰かが部屋をノックした。開けてみると、何人かのメンバーが立っていた。何と、日比谷線で秋葉原に行って来たのだという。「夕方に(私の部屋を)ノックしたけど、反応がなかったから、疲れて死んでんじゃないのかと思った」「今日使ったきっぷ(青春18きっぷ)を使えば、お金いらないから欲しかったんだけど……」と、メンバーたちは言った。そして、「取り敢えずこれでも飲んで」と、栄養ドリンク剤を差し出された。ぼーっとして、私が何を言ったのか覚えていないが、寝ている間に迷惑をかけたのは間違いないようだ。それにしても、疲れているはずなのに、秋葉原に行くとは凄い体力だ。「元気だねぇ……」と言うしかない。 夕食を食べていなかったので、腹が減ってきた。まだ完全に頭が起きていない中、ホテルの近くにあるコンビニに弁当を買いに行った。コンビニの前や店内には、いかにもガラの悪そうな人が何人かいた。後でメンバーから聞いた話だが、ホテルの隣にある交番の警察官によると、この近辺は治安があまり良くないという。さらに、1泊2000円というホテルもあるらしく、そこが彼らの溜まり場になっているそうだ。幸い、私たちが泊まった「ホテル アクセラ」は「この近辺では結構良いホテルだよ」と、警察官から太鼓判を押されたという。いずれにせよ、深夜の外出は控えた方が良いのかもしれない。498円の幕の内弁当と105円の「みかん水」を買って、さっさとホテルに帰って来た。 腹ごしらえをして、しばらくテレビを見て、ごろごろした。さっき寝てしまったので、すぐに眠くなることはなかった。そう言えば、明日の具体的な予定をメンバーに伝えていなかった。なので、明日の予定をメールで一生懸命打って一斉に送信した。大まかな予定としては、10:00にホテルを出発し、午前中に浅草観光をして、午後は上野動物園で過ごすことにした。入園料が必要なのは上野動物園くらいで、8人分の入園料が、当初予定していた東京ディズニーランド1人分の入園料とほぼ同じだから、かなり格安である。2009年(平成21年)3月17日(火)
日付が変わった頃、風呂に入るため、大浴場へ向かった。風呂は午前1時に閉まってしまうので、長くは入れないが、汗を流すくらいなら丁度良い。深夜なので、他の入浴客は2人くらいだった。2日ぶりに入る風呂はなかな気持ちが良かった。部屋に戻ってしばらくのんびり(さっきからのんびりしてばかりだが……)して、午前2時頃に寝た。 翌朝、起きたのは9:20だった。危うく寝坊するところだった。支度をして、非常食で持参していたクッキーを食べ、9:50頃に部屋を出た。ちょうど別の部屋からメンバーが出てきているところだった。エレベーターで1階に下りると、玄関に何人か待っているのが見えた。しかし、2人くらい足らない。その2人に電話をかけても、反応なし。誰もが頭の中に“寝坊”という2文字を浮かべた。待っていたうちの2人が起こしに行き、結局寝坊の2人が出てきたのは予定より30分近く遅れた10時半前。この後、寝坊した2人は、他のメンバーから散々文句を言われるのであった。 さて、今日の予定は浅草・上野巡りである。まず、浅草へ向かうことにしたが、電車賃をケチって徒歩で行くことになった。幸い、浅草まではホテルの前の道をまっすぐ行けば着けそうだ。距離にして3kmほどだろうか。決して歩けない距離ではない。 私たちは、浅草に向かって南下した。街の雰囲気は下町なのだが、何か柄の悪そうな人が多かった。前の日に聞いた治安の悪さは、やはり本当なのだろう。2、30分ほど歩くと、隅田川に架かる言問橋のところまで来た。 太平洋戦争時の東京大空襲で、避難しようとしていた大勢の人が、この橋の上で生きたまま焼かれた、と、以前見たTBS系の特番で報じていた。上の写真に、欄干の親柱が両側に立っているが、どちらも黒ずんでいる。これは、当時からあるもので、黒ずみは焼かれた人の脂が焦げ付いたものとされる。米軍は、もともと軍需工場を中心に爆撃していたが、その後、司令官がカーチス・ルメイに交代し、彼は「民間人も戦争に加担し、自らの家で軍需物資を作っている」と、都市に対する無差別爆撃を指示した。これにより、東京や大阪、名古屋のような大都市だけでなく、全国の地方都市まで焼け野原にされてしまった。今でも、アメリカ人の多くは「戦争だから仕方ない」「悪いのはお前ら(日本)だ」と反省の色も見せていない。しかし、一方で日本も重慶爆撃や南京大虐殺で多くの民間人を殺害しており、日米で殺害した人数の違いはあるが、一方的にアメリカを非難できないとする意見もある。 さて、40分ほど歩いて浅草・雷門前に到着した。これから1時間ほど自由時間を取ることになった。 私が以前ここに来た時は、年末で雪が降っていた。時間もなく、あまり楽しめなかった。今回はゆっくりと見物できそうだ。春の行楽シーズンにあたり、年配客や外国人客の姿が目立った。仲見世通りを抜け、浅草寺方面へ歩く。数分で本堂の前まで来た。 本堂のさい銭箱に、100円を放り込み、お参りした。本堂の側面では、改修工事が行われているらしく、網が張られていた。本堂の周りを写真撮影した後、仲見世通りをもと来たように戻った。途中で人形焼きを買った。人形焼きは、リーズナブルなので、東京土産として私もよく買う。集合時間の10分前に雷門前に戻った。雷門から仲見世通りを見ると、さっきよりも人の数が増えていた。 メンバーにとって観光1時間は短かったらしく、15分ほど延長することになり、買い物に行きたい人は再び仲見世通りの人ごみに消えていった。そして、お土産を手に抱えて帰ってきた。12時を過ぎていたので、浅草近辺で食事をしようと通りから一歩入った路地で探したが、なかなかお手頃な値段の店がなかった。一旦大通りに出て、中華料理チェーンの店に入りかけたが、その向かいにもいくつか飲食店があり、最終的に中華そば(要はラーメン?)の店に決まった。値段も500円台からあった。 店員の方は、中国の方なのか、独特の日本語を話していた。注文してしばらくすると、中華そばが運ばれてきた。日本のラーメンとは少し違って、スープもかなりあっさりしていた。だが、結構美味しく、向かいに座っていたメンバーも同意見だった。 さて、今度は上野へ向かう。私がメンバーに「地下鉄でも、徒歩でも行けるけどどうする?」と尋ねたら、「金がもったいないから徒歩で行く」という返事だった。しばらく歩くと、メンバーの何人の姿が見えなかった。どこにいるんだろう、と思って探すと、はるか後ろを歩いていた。しかも、横に広がって歩いているものだから、その後ろに人の渋滞ができていた。周りを歩く人と比較してみると、そのスピードの違いは明らかだった。東京の人の歩きが速いのか、田舎の人間の歩きが遅いのか。そもそも、歩く速さの全国基準というものはあるのだろうか……。2、30分ほど歩いて上野駅までやって来た。