C衝撃(笑撃?)の上野動物園

高校卒業記念として、私は同じクラスだった男子と一緒に東京まで旅行しました。

 上野駅のコインロッカーで一旦浅草で買った荷物を預けた。上野駅の反対側に出ると、上野公園の森に入った。上野公園の中では、観光客がたくさん歩いていた。

 すると、途中に人だかりができている場所があった。何があってるんだろう……と思って見てみると、白い石像があった。石像になんで人が集まっているのか?と思っていると、何と石像の手が動いたではないか。ロボットかな?と一瞬考えたが、あの手の動きは、間違いなく人間である。そばには、「東京都」の文字が入った幟旗があった。どうやら東京都の公認で行っているらしい。その白い人(?)の前には、金属の箱が置かれていて、時折観客が硬貨を入れていた。硬貨が入れられるたびに、観客から賞賛の拍手が起こった。メンバーの1人も硬貨を入れに行き、そして拍手を浴びていた。しかし、彼の手には硬貨が握られていた。“入れるふり”をしただけのようだ。これには、メンバーたちもがっかり。「もう1回行け」とメンバーたちに促され、彼はもう1度行ったが、やはり入れるふりだった。白い人も箱の中を覗き込んで硬貨が増えたかどうか確認していたが、増えていないことが分かると、がっかりしていた。結局、誰もお金を入れることがないまま、その場を去った。

 公園内の野球場では、ちょうど野球の試合が行われていた。その横を通りつつ、上野動物園の入り口を探した。しばらく行くと交差点があり、左を見ると、ずっと先に上野動物園の入り口があった。その方向へ向かうと、再び人だかりに出くわした。今度は何をやっているのか、と見ると、何と空中で一回転する大道芸師の男性がいた。さっきの白い人に比べると面白そうだったので、見てみることにした。残念ながら、出し物の終盤で、大道芸師は「次が最後です」と言った。すると、パイプいすを3つほど用意して、重ね始めた。そして、曲芸師は「今からこの上で逆立ちをします。成功したら、拍手をお願いします。ですが、失敗するかもしれません」と言い、パイプいすに登り始めた。クッションがあるため、ただでさえ安定しない。観客たちは皆、ハラハラしながらその様子を見た。大道芸師は、パイプいすの最上段まで至ると、いすをぐっと持って、ふわっと逆立ちをした。その瞬間、観客から割れんばかりの拍手が巻き起こった。大道芸師は、数十秒間その姿勢を維持し、「写真を撮るなら今のうちですよ!」と観客に促してた(私は人が多くて撮れなかった)。

 芸が終わると、大道芸師は観客に感謝の言葉を述べたうえで、世界各国でこのような芸を行っていると言った。しかし、お金がないらしく、是非気持ちだけでも良いので、募金を下さい、と訴えた。なかなか面白い人で、「ほら、今 帰ってる人!顔覚えていますからね!!」と言うと、観客たちは爆笑だった。私を含め、メンバーの何人かが募金に行った。私は残念ながら小銭が56円しか無かったので、それだけ募金した。

 さて、いよいよ上野動物園である。入場口横の券売機で「大人」の入園券600円を払い、中へ。ちょうど14時になったばかりだったので、15:30までの1時間半を自由時間とした。だが、1人や2、3人で動物園めぐりをするのも寂しいので、半分ずつに分かれた。私の班は、まずゴリラ園に向かった。ゴリラはちょうどお食事が始まった頃で、上から投げられるエサをもりもり食べていた。食べ終わると、それぞれ好きなように行動していた。

 近くにライオン園があったので、そこに行った。だが、肝心のライオンはお昼寝中で、放置された骨付きのエサはスズメが「おこぼれちょうだい」とばかりにつついていた。なぜかエサには鎖が付いていた。ライオンが怒ると投げる恐れがあるのだろうか。

 メンバーの携帯電話に、もう一班のメンバーからメールが届いた。内容は、ホッキョクグマが面白いことをしている、というものだった。入り口でもらった園内地図を見て、ホッキョクグマの居場所に急行した。

 少し迷って、ホッキョクグマの居場所に着いた。フェンスの前には、修学旅行生やカップルが集まって、「教育に悪い」「キャー!!」などと口々に言っていた。何事だ?と思って、空いた所からホッキョクグマを見ると、こ、これは……。

 何をしているのかはご想像にお任せするが、通常のホッキョクグマのイメージとはかけ離れているのは紛れもない事実である。しかしなぁ……。もし、子どもがこれを見て、親に「あのホッキョクグマさんたち、何やってるの?」と聞いたら、親は何も答えられないだろう。「遊んでいるだけよ」と、微妙な返答でかわすのが精一杯ではないだろうか。

 結局30分近くその様子を見た後、鳥園の方へ向かった。鳥は、本当に可愛らしい。結構頭が良いので、飼い主にもよくなつく。小鳥であればそれほど大きくないし、比較的飼いやすい。ただ、冬場の温度管理はしっかりやる必要がある。

   その近くには、クマがいた。種類によってはガラス張りになっており、目の前で見ると、なかなか迫力があった。続いてペンギンのいる池へ。ペンギンたちは、最初、陸上を歩いていたが、次々に池の中へ飛び込んでいった。  

ペンギン池の隣にあるアシカの池では、アシカたちがすいすい泳いでいた。

 東園の方は、だいたい見たので、今度は西園に向かった。途中で、もう1班と合流した。西園まではモノレールが走っている。このモノレールは、遊園地にあるものとは違い、ちゃんと鉄道事業法をもとに運行されている。だが、西園までは歩いても数分という距離なので、徒歩で行くことになった。歩く上を、モノレールが通過して行った。

 西園には、キリンやシマウマ、サイがいた。魚類や爬虫類の建物もあり、入ってみることにした。予定の時間まで30分しかなかったが、延長することにした。魚類や爬虫類の建物には、カメやワニ、ハイギョ、カエル、カメレオンなどがいた。特にカエルは、今年が国際的なカエル年らしく、特集が組まれていた。

 20分ほどかけて見終わり、建物の外に出た。出てすぐの場所には、フラミンゴがいた。西園にも鳥類がいて、結構大きな鳥もいた。下の写真に写っている灰色の鳥は、一体何を考えているのだろう……。他にもカンガルーやハリネズミがいた。

 最後に、夜行性の動物が展示されている建物に入った。暗くする必要があるためか、地下に展示室があった。展示されていた動物の中には、一回、フジテレビの「トリビアの泉」でも紹介された「ハダカデバネズミ」もいた。

 モノレール西園駅のそばにある売店前に記念撮影用の置物があったので、みんなで写って、もと来たように東園へ。動物園を出る前に、ゾウやテナガザル、バイソンを見た。上野動物園のゾウと言えば、戦時下政策の犠牲になった悲劇で知られる。テナガザルは、天井にぶら下がったり、柵にしがみついたりと、身軽に飛び跳ねていた。一方で、バイソンはゆっくりと歩いていた。それだけでも、なかなか迫力のある姿だった。

 出口は、入り口とは別の場所にあった。入り口は、閉園時間が迫っていたので既に閉じられていた。それにしても、上野動物園は思った以上に面白かった。ディズニーランドよりも安上がりだったし……。

 メンバーの1人が、「アメヤ横丁」に行きたいと言ったので、みんなでアメ横へ。上野駅の横を通り、坂を下った先にアメヤ横丁の入り口があった。夕方であるためか、結構人は多そうだ。  

 アメヤ横丁に入っていく。私は、アメヤ横丁がどんなものか具体的に知らなかったが、意外と鮮魚店や八百屋が多かったのは意外だった。観光地でもあり、地元住民の食卓を支える重要な市場でもあったのだ。人ごみをかき分けながら進むと、いつの間にかアメヤ横丁を全部歩いていた。すぐ近くには、御徒町駅があり、1駅分歩いたことになる。メンバーたちは、もと来た道を戻りながら、ファッション系の店に出入りした。ただ、メンバーたちは服を今日買うのではなく、明日のフリータイムで改めてここに来るのだという。それにしても、人が多い……。

 上野駅まで戻り、ロッカーで預けておいたお土産を受け取った。さすがにここから徒歩で南千住まで戻るのはきついので、東京メトロ日比谷線で帰ることにした。夕方なので、日比谷線は混んでいたが、ぎゅうぎゅう詰めと言う程ではなかった。南千住駅に着いてすぐ、私は日比谷線の電車を撮影した。日比谷線の南千住駅は、高架上にある。地下で撮影するより、かなり撮りやすい。

   夕陽が照らす南千住の街を歩きながら、ホテルへ。線路を跨ぐ歩道橋から、その街並みを撮った。ホテルは、道路沿いにある肌色の建物である。歩道橋の下では、ディーゼル機関車が貨車の入れ換え作業を行っていた。

 ホテルの近くにあるスーパーで今晩の夕食と明日の朝食を買い込んだ。コンビニとは違って、スーパーは夕方になると値引きしてくれるから嬉しい。その後、ホテルに戻った。ちなみに、元気なメンバーは、今夜も秋葉原に行くらしい。メンバーの1人から、青春18きっぷが使えるかどうかを聞かれたが、私は、「残念ながら、あと1日分しかないから、改めてきっぷを買って」と答えた。

 私は秋葉原には何の用もなかったので、食事を食べた後は部屋でゆっくりし、風呂に入って早めに寝た。明日は東京最終日。張り切って観光しよう。

D東京8の字観光

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