A1時間30分の苦行

春と言えば鉄道旅行。そこで、今回は、広島や京都など“四都”を走る鉄道を旅しました。

 西鉄福間駅からJR福間駅まで徒歩で移動した。他にも何人かの人が、私と同じルートでJR福間駅に向かっていた。

 徒歩15分ほどで、JR福間駅に到着した。そろそろ門司港行きが入線する時刻なので、駅舎を撮影してホームへ。

 8:50、小倉行きの811系快速が入線した。満席だったが、途中の赤間駅から座ることができた。

 小倉駅で、今度は門司港行きの813系各駅停車に乗り換えた。こちらはガラガラで、ボックスを“独り占め”できた。

   さらに次の門司駅で、415系下関行きに乗り換え。あぁ、忙しい。

 下関行きは、9:52に門司駅を発車し、恒例の“作業”を終えると、まもなく関門トンネルに突入した。トンネルを4分ほどで抜けると、左手に車両基地が見えた。毎回毎回停まっている車両が違うので、下関に行く際は、この風景が私の楽しみになっている。一般の車両に混じって、ジョイフルトレインの「TABIJI」も停まっていた。

 下関駅に着くと、1分の接続で、反対側のホームに停まっている徳山行きの115系各駅停車に乗り換え。2両編成で、車内はとても混雑していた。当然ながら、私を含めて乗り換えた客は全員立ち席となった。

 徳山行きは、9:59に下関駅を発車した。経験上、下関から離れるに従って、たいていは乗客の数が減っていくものだが、今日ばかりは停まる駅ごとにどんどん人が乗ってきて、厚狭駅あたりまでは増加を続けた。土曜日の昼間でこれだけ乗るのだから、4両編成で運行しても差し支えなかったのではないか。

 ただ、1両目の運転席のすぐ後ろに乗ったので、前方風景が見やすかったことだけは良かった。

 厚東駅付近で、ジョイフルトレインの「ふれあいパル」とすれ違った。「ふれあいパル」は、昨年10月に博多駅で撮影したことがある。客室から見た限り、電車はだいたい90km/hで走っており、100km/hを超えたことはなかった。運転士さんは、駅に到着したり、発車したりするごとに、「定着!停車位置よし!」「信号よし!10秒延発!」などと言いながら、きびきびと指差確認していた。JR九州の運転士さんであれば、ここまではしない。

 しかしながら、旧型車両である上にカーブが多く、足が疲れてきた。時計はもう11時を回っている。かれこれ1時間は立ちっぱなしだが、駅間距離が長いので、時間がそれよりも長く感じられた。しかし、座席は完全に埋まっており、しばらく座れそうにない。しかも、どの人も乗車距離がとても長い。下関から乗った人が、防府を過ぎてもまだ何人も乗っているのだ。さすがは天下の山陽本線である。

 そろそろ限界が近づいた11:30頃になって、ようやく通路側ながら座席に座れた。座席は初めて見るタイプで、ヘッドレストと背もたれがそれぞれ独立していた。しばらく行くと、右手に海が広がった。もう少し防波堤の背が低ければベストだったのだが。

 終点の徳山駅には、11:52に到着した。途中下車して、駅舎を撮影した。

 続いて乗ったのは、115系岩国行き。こちらは4両編成で、車内には空席が目立った。 

 しばらく行くと、右手に再び海が広がった。他の乗客たちも、じっと考え事をしているように海を眺めていた。

 岩国駅には、13:05に到着した。電車はここで折り返すらしく、若い車掌さんが座席の方向転換を行っていた。その技術(?)が素晴らしく(?)、両手でガコンガコンと機械のように転換していた。車掌さんが平然とした顔で次の車両に移動すると、再びガコンガコンという音が響いてきた。これが、車掌さんの秘技だったのか、JR西日本のマニュアルか何かだったのかは分からないが、本当に素晴らしい技術だと思う。

 岩国駅でも途中下車して、駅舎を撮影した。見るからにかなり古そうで、後で調べてみると、1949年(昭和24年)に建てられたそうである。しかし、さらに調べていくうちに、岩国駅には悲惨な歴史があることも分かった。太平洋戦争終結の前日に、岩国駅は空襲を受け、駅舎もホームも停まっていた上下列車も、皆跡形もなく破壊され、何百人という人々が殺されたそうである。そして、今、岩国には米軍の基地がある。その米軍は、「誤爆」などという他人事のような言葉で世界中で罪無き人々を殺している。それは、アメリカが、街一つを壊滅させられるような大きな攻撃を他国からされたことが一度もないからできることなのだろうと私は思う。

 次の電車は115系白市行き。広島都市圏に入るので、車内は既に満席だった。電車は岩国駅を13:12に発車した。

 大都市・広島に近づいているので、当然乗客の数は減るはずもなく、宮島口駅で下車するまで立ち席となった。宮島口駅で降りたのは、ここから広島電鉄を使うからである。

Bへ  

旅行記&特集へ

トップへ