@そいつは、山の陰から現れた
時々、私は自分のサイトの各ページが検索で引っかかるかどうかを調べている。ある日、私が「なは・あかつき」と検索すると、gooニュースが出てきて、『27日に「なは・あかつき」が復活運転』という見出しが出てきた。ソースは、西日本新聞からで、よく読むと27日とは、なんと4月の27日だった。九州鉄道記念館が主催で、旅行人員の募集は既に締め切られたとあった。それは仕方ないとして、カレンダーで確認すると、ばっちり日曜日。こうなれば、撮影に行くしかなかろう。というわけで、鉄道ファンではないが、私の“部下”(つまり、写真部員。だけど同級生)であるinfinity_fate様を連行した。いや、部下に“様”をつけるべきではない。ここはあえてinfinity_fateと呼ばせてもらおう。 お目当ての列車は、門司港―豊後森間(日田彦山線経由)の運行で、豊後森駅では1時間50分も停車するということなので、目的地を豊後森駅に設定。ちょうど佐賀―豊後森間は、101km以上120km以下なので、ナイスゴーイングカード(NGC)を使えば、乗車券だけで2480円。これに佐賀→鳥栖間と豊後森→うきは間のNGC自由席特急券を追加すれば、3020円。ちょうどNGCのスタンプを3つ押してもらえるのだ。このような計画を作り、当日を迎えた。 当日。infinity_fateと集合して9:44発の885系「かもめ8号」に乗った。車内は残念ながら満席。なので、デッキで立つことになった。鳥栖駅には9:58に到着。すぐの接続で813系快速に、さらに久留米駅で日田行きのキハ220形200番台に乗り換えた。あのデカLEDとちぐはぐな座席配置の車両である。2両編成だったが、どちらもキハ220形200番台だった。最初はロングシートに座るしかなかったが、途中の駅でクロスシートが空いたので、そこに座った。だが、やはりロングシートに座ると、目の前に座っているクロスシートの客をじろじろ見ることになるので、下を向いたりくるっと向いて外を見るしかない。一方、クロスシートに座ると、ロングシートに座っている人に横から見られるので落ち着かない。なぜこのような座席配置になったのか疑問だ。 列車は、平地を走り抜けた後、だんだん山の中に入って行き、夜明駅には11:03に到着した。実は、夜明駅周辺で「なは・あかつき」の撮影を行うことにしているので、下車した。駅のホームやその周辺には、既に30人ほどのファンがカメラを構えていた。警備のためなのか、JRの制服を着た人たちも3、4人ほどいた。 これでは、満足な写真が撮れない。JR職員の方に列車の到着時刻を尋ねてみると、11:32夜明着だという。ならば、まだ時間がある。infinity_fateと相談して、撮影地を探してみることにした。夜明駅の近くは古い民家が残り、とても静かなところだった。民家の庭先では、こいのぼりが気持ち良さそうに空を泳いでいた。 あちこち行っていると、右手にそれる山道があった。良く見ると、その山道のすぐ下を日田彦山線の線路が通っているようだ。ワゴン車も停まっていた。誰かがカメラを構えているのだろう。坂を上ると、そこはちょうど良い撮影場所だった。だが、あまり知られていないのか、私たちの他にいたのは、男性2人だけだった。夜明駅から徒歩6、7分なので、そう遠くない場所だ。夜明駅で場所探しに苦労するより、少し歩いて探した方が正解だった。 構図を考えているうちに、11:30を過ぎた。夜明11:32着ならば、もうそろそろ来ても良いはずである。5分後、遠くで「ピョー」という汽笛が聞こえた。だんだん「ガタンゴトンガタンゴトン」という音も大きくなってきた。すると、木陰からDE10形に牽引された青い列車(24系4両)が顔を出した。定刻より5分ほど遅れたようだ。「ここだ!」と思ったところで、1枚。